「自宅LTOテープバックアップのススメ」の版間の差分
(→使い方: +テープの強制イジェクト +mt erase) |
(→ドライブのLEDの意味: +未対応のテープが挿入された) |
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2016年8月11日 (木) 13:18時点における版
ちうい!! テープドライブの取り付けや、データのバックアップは自己責任でどおぞ。
わぁい!! 百合子さん磁気てーぷ大好き♡ ぁぁ~フェライトのいい香りがするのお~ スーハースーハー てぇぷ食べちゃう♡ バリバリ もしゃもしゃ(^^♪
きっかけ
今から半年近く前の2015年12月頃、ファイルを暗号化して身代金を要求する「TeslaCrypt」とかいうランサムウェアが登場。何でもコイツはシャドウコピーまで暗号化していくらしく、Windows10のファイル履歴機能で外付けUSB-HDDにバックアップをしていた百合子は不安になり、別のバックアップ方法を模索することに・・・
新たなバックアップメディアに求める要件は
- オフラインで保管できる (オフラインであればランサムウェアが物理的に暗号化できない)
- 安価
- 長期保存ができる (月単位でバージョニングがしたい)
この条件で色々と検討したところ、磁気テープのLTOが目に入った♡ 元々サーバやディスクアレイ用なので、新品ドライブは100万円前後と非常に高価だが、放出品が中古でヤフオクに安く出回っている。(LTO2ドライブで2000円前後)。サーバ向けなので信頼性も十分。テープの価格は新品でも結構安くUltrium2(200GB)で1本3000円前後。ヤフオクだと5本で2000円の時もある。
LTOの概要とか、Ultriumのバージョン間差異についてはWikipedia - Linear Tape Openを参照。
導入
導入にあたって、SCSIカードの接続やドライブのインストールなどをする必要があるので、PC自作や改造の経験があるほうが望ましい。Linuxのコマンドライン操作の経験もあると尚よい。
ヤフオクを見ると、様々なLTOテープドライブや、テープライブラリ、テープオートローダが出品されているが、百合子さんのオススメは内蔵型のLTOドライブ単体。なぜかというと、テープオートローダ、テープライブラリは轟音のファンがついていることが多く、騒音のため一般家庭(#逸般の誤家庭?)での使用には適さず、また20kg以上でめちゃくちゃ重いため。
ドライブ単体であれば軽いし(1~2kg)、うるさいファンもついていない。動作音はCD/DVDドライブよりうるさいけど、集合住宅でも深夜以外であれば使える程度の騒音。(掃除機ほどうるさくない)
と言いつつ、集合住宅住まいの百合子さんは、深夜でもガンガンてーぷの読み書きしてますw 今のところ隣近所からのクレームは、なし。
単体ドライブには、ハーフハイトと厚みが二倍のフルハイトがあるけど、フルハイトの方が若干読み書きが速い[1]っぽい・・・デカいけど。(ドライブのメーカーにもよる)
なお、バックアップしたいデータが巨大でテープの入れ替えが面倒くさいとか、自宅に1Uサーバとか「るうたあ」があって騒音には慣れてるYoとかいう人は、テープライブラリ装置を購入してもいいと思う。
用意するもの
LTO1~4(パラレルSCSI)の場合
- デスクトップPC
- UltraSCSIカード(PCI or PCIe)
ハードオフのジャンクコーナーにあるものでおk。コネクタが68pinの物を。Ultra320(320MB/s)が理想だが、Ultra Wide SCSI 2(80MB/s)でも動かなくはない。
- ターミネータ付き68pinSCSIケーブル
SCSIは50pinと68pinがあるが、LTOは全て68pin。ターミネータなしの物は安いけど、別途規格の合うターミネータを調達しなければいけないので、ターミネータ付きがオヌヌメ。(しかもターミネータの種類が色々あって、ややこしい)
- 内蔵型LTOドライブ
5インチベイに搭載できるのでハーフハイトの内蔵型がオヌヌメ
- Ultrium1~3テープ
LTO3~7(シリアルSCSI(SAS))の場合
- デスクトップPC
- SASホストバスアダプタ(PCIe or ExpressCard)
SASとSATAは似て異なる物なので、ちうい!! (コネクタ形状がかなり似てる)
- SASケーブル
これまた種類が多いので、ちうい!!
- 内蔵型LTOドライブ
- Ultrium3~7テープ
最低限SCSIカードとケーブル、ドライブが必要だ。ドライブのインタフェースはSCSI(or SAS)かFCが大半なので、ノートパソコンでのテープ使用はちょっと難しい。USB接続のLTOドライブは無くはないが、オークションには出回ってなく、入手は難しいであろう。ノートパソコンで使いたい場合はSAS接続のドライブと、ExpressCard型のSASホストバスアダプタを使えばおk(ノーパソにExpressCardスロットが必要なので、廉価なPCだとキビシイ)
LTO3、4はSCSIの物と、SASの物、両方が出回っているので購入時はよく確認しよう。
LTO7は2015年12月31日に発売されたばかりで、ドライブが100万円~と大変高価なので、一般庶民が手にすることは当面ないだろう・・・。LTO5は5~10万円でオークションに出ている事がある。
ヤフオクにたまにLTOドライブ搭載のワークステーションが出ている場合があるので、それを買えばSCSIカードを物色したり、取り付け作業をしたりせずに済む。
取り付け
SCSIカードとドライブをパソコンに取り付けて、ドライブとカード間をSCSIケーブルで繋ぎ、ドライブに4pinの電源ケーブルを挿したら完了。(パラレルSCSIの場合)
この説明でわかんない人は経験値が不足しているので、パソコンの自作に手を出してみて経験を積むか、あるいは知人にできる人がいれば、代わりにやってもらおう。
使い方
最近のWindowsはLTOテープの対応がアレなので、基本的にはLinux上でテープ操作をすることになる。Linuxをインストールしてもいいし、Knoppixみたいな1CDLinuxでもいい。Cygwinでも使えるかもしれない?
Linuxでテープにバックアップが取れる、フリーのツールはdumpやtar(tape archive)、dd、cpio、amandaなどがある。
root権限でコマンド操作を間違うとデータやシステムを破壊する場合があるので、十分注意しよお。ガチのバックアップを取る前に、消えてもいいデータとテープを使用して、何回かバックアップ/リストアの練習をしよお。
自動化された高度なバックアップを取りたい場合は、お金を出して専用のバックアップソフトを購入したほうが、いいかもしれない。
ドライブのLEDの意味
メーカーにもよるけど、LTOドライブの前面には4つのステータスLEDがある。それぞれの意味は・・・
- Ready
- 点灯:ドライブ準備完了(コマンドを受け付ける準備ができている) 点滅:ドライブが動作中
- Drive
- 点滅:ドライブに異常がある
- Tape
- 点滅:テープに異常がある(詰まりや、カートリッジメモリの異常など)。あるいは未対応のテープが挿入された(LTO2ドライブにUltrium3テープを入れた場合など)。
- Clean
- 点滅:ドライブのクリーニングが必要 点灯:クリーニング中
※HP製の場合
メーカーごとに若干異なるようなので、詳細はドライブの取説を参照。
テープの強制イジェクト
何らかの事情でテープを強制的に取り出したい場合(Ctrl+C連打してもテープ動作が止まらない場合など)は、イジェクトボタンをテープが出てくるまで長押しすると、強制イジェクトすることができる。書き込み中に強制イジェクトした場合、当然きちんと書き込めていないので再度書き直す必要があることに注意。
mt eraseコマンドによるテープ全消去を途中で止めたい時に有用(Ctrl+Cでは止まらないので)。
tarコマンド
最低限のコマンドだけ列記しておくので、詳細やオプションの意味は、ググったりmanページを見て調べること。
なおtarを使用する場合は -b でブロックサイズを指定しないと、複数テープにまたがって書かれたデータを正しく読めないので、ちうい!!
テープに書き込み
# tar cfvpM /dev/nst0 . -b 2048
カレントディレクトリ以下をテープに書き込み
テープの内容表示
# tar tfvpM /dev/nst0 -b 2048
テープの内容をベリファイ
# tar dfvpM /dev/nst0 -b 2048
元データがあるディレクトリにcdしてから実行
テープから読み込み
# tar xfvpM /dev/nst0 -b 2048
mtコマンド
テープを巻き戻し
# mt -f /dev/nst0 rewind
テープを全消去
# mt -f /dev/nst0 erase
ものすごく時間がかかる(100GBのUltrium1で約2~3時間)ので注意
テープをイジェクト
# mt -f /dev/nst0 eject
HP製の一部ドライブ(BRSLA-0404-DC LTO2)の様に、これを実行してもテープが排出されないドライブもある(テープ端自体はカートリッジに格納される)。
mtコマンドは
# yum install mt-st
などでインストールできる。
sg_rmsnコマンド
テープ・カートリッジ固有のシリアル番号を読み出せるコマンド。
lto_cmコマンド
テープ・カートリッジ内蔵の非接触カートリッジメモリ(LTO-CM)を読み書きできるコマンド。任意の情報を書き込んでテープ管理に使うこともできる。テープとは別のメディアなので、テープ全消去してもカートリッジメモリの情報は残る。
GitHub - scangeo/lto-cmからダウンロードしてコンパイルすると使えるようになるが、Makefileにミスがあるようなので、CentOS 6ではMakefile書き換えないとコンパイルできない・・・
運用上の注意
磁気テープメディアは安価で長期保存もできる優れたメディアだが、案外デリケートなので注意して取り扱い、保管しよお。基本的に磁界とホコリ、高温、湿気は大敵。
ほかのメディアと違って、冷蔵庫での保管は非推奨。(テープのパッケージに推奨保存環境16~32℃と書いてある)
ハードディスクと違って衝撃には強い模様・・・(5階から落としてテストしてみたいw HDDは確実に壊れる高さw)
某資料[2]によれば、超音波加湿器のある部屋にLTOドライブを置いてはいけないらしい・・・?
ドライブのクリーニング
ドライブは定期的にクリーニングテープでクリーニングしましょう。クリーニング間隔はテープメーカーの取説[3]を読むと10日~1ヵ月間隔とか書いてある。
クリーニングのやり方はとても簡単で、クリーニングテープをドライブに入れると自動でクリーニングが行われる。終わると自動でテープが巻き戻されて排出される。だいたい所要5分ほど。
1日10回とか短期間に繰り返しクリーニングを行うと、ヘッドを痛めるのでやめよお。そんなに神経質になる必要はないっぽい。