自宅LTOテープバックアップのススメ

提供:泣かないでゆり子
2016年7月29日 (金) 03:31時点における市川ゆり子 (トーク | 投稿記録)による版 (書きかけの項目を完成 +出典)
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魅惑のUltriumてーぷ。おいしそお♡ 食べちゃお♡
Ultriumてーぷがいっぱい♡

黒はUltrium1(100GB)、紫はUltrium2(200GB)

ちうい!! テープドライブの取り付けや、データのバックアップは自己責任でどおぞ。

わぁい!! 百合子さん磁気てーぷ大好き♡ ぁぁ~フェライトのいい香りがするのお~ スーハースーハー てぇぷ食べちゃう♡ バリバリ もしゃもしゃ(^^♪

きっかけ

普通のデスクトップPC(IBM ThinkcentreA50(8320-87J))にLTO2ドライブを内蔵した

 今から半年近く前の2015年12月頃、ファイルを暗号化して身代金を要求する「TeslaCrypt」とかいうランサムウェアが登場。何でもコイツはシャドウコピーまで暗号化していくらしく、Windows10のファイル履歴機能で外付けUSB-HDDにバックアップをしていた百合子は不安になり、別のバックアップ方法を模索することに・・・

新たなバックアップメディアに求める要件は

  • オフラインで保管できる (オフラインであればランサムウェアが物理的に暗号化できない)
  • 安価
  • 長期保存ができる (月単位でバージョニングがしたい)

この条件で色々と検討したところ、磁気テープのLTOが目に入った♡ 元々サーバやディスクアレイ用なので、新品ドライブは100万円前後と非常に高価だが、放出品が中古でヤフオクに安く出回っている。(LTO2ドライブで2000円前後)。サーバ向けなので信頼性も十分。テープの価格は新品でも結構安くUltrium2(200GB)で1本3000円前後。ヤフオクだと5本で2000円の時もある。

LTOの概要とか、Ultriumのバージョン間差異についてはWikipedia - Linear Tape Openを参照。

導入

内蔵型ハーフハイトLTO2ドライブ HP BRSLA-0404-DC (Storage Works Ultrium 448と同型) ヤフオクで1500円

 導入にあたって、SCSIカードの接続やドライブのインストールなどをする必要があるので、PC自作や改造の経験があるほうが望ましい。Linuxのコマンドライン操作の経験もあると尚よい。

 ヤフオクを見ると、様々なLTOテープドライブや、テープライブラリ、テープオートローダが出品されているが、百合子さんのオススメは内蔵型のLTOドライブ単体。なぜかというと、テープオートローダ、テープライブラリは轟音のファンがついていることが多く、騒音のため一般家庭(#逸般の誤家庭?)での使用には適さず、また20kg以上でめちゃくちゃ重いため。

 ドライブ単体であれば軽いし(1~2kg)、うるさいファンもついていない。動作音はCD/DVDドライブよりうるさいけど、集合住宅でも深夜以外であれば使える程度の騒音。(掃除機ほどうるさくない)

 と言いつつ、集合住宅住まいの百合子さんは、深夜でもガンガンてーぷの読み書きしてますw 今のところ隣近所からのクレームは、なし。

 単体ドライブには、ハーフハイトと厚みが二倍のフルハイトがあるけど、フルハイトの方が若干読み書きが速い[1]っぽい・・・デカいけど。(ドライブのメーカーにもよる)

 なお、バックアップしたいデータが巨大でテープの入れ替えが面倒くさいとか、自宅に1Uサーバとか「るうたあ」があって騒音には慣れてるYoとかいう人は、テープライブラリ装置を購入してもいいと思う。

用意するもの

Ultra320規格のターミネータ付きパラレルSCSIケーブル。ボールペンの先で指している黒いボックスがターミネータ(ヤフオクで800円)
Ultra2 Wide SCSI規格のPCIカード Tekram製DC-390U2B(ハードオフで315円)
パラレルWide SCSIコネクタの例(68pin)

LTO1~4(パラレルSCSI)の場合

  • デスクトップPC
  • UltraSCSIカード(PCI or PCIe)

ハードオフのジャンクコーナーにあるものでおk。コネクタが68pinの物を。Ultra320(320MB/s)が理想だが、Ultra Wide SCSI 2(80MB/s)でも動かなくはない。

  • ターミネータ付き68pinSCSIケーブル

SCSIは50pinと68pinがあるが、LTOは全て68pin。ターミネータなしの物は安いけど、別途規格の合うターミネータを調達しなければいけないので、ターミネータ付きがオヌヌメ。(しかもターミネータの種類が色々あって、ややこしい)

  • 内蔵型LTOドライブ

5インチベイに搭載できるのでハーフハイトの内蔵型がオヌヌメ

  • Ultrium1~3テープ

LTO3~7(シリアルSCSI(SAS))の場合

  • デスクトップPC
  • SASホストバスアダプタ(PCIe or ExpressCard)

SASとSATAは似て異なる物なので、ちうい!! (コネクタ形状がかなり似てる)

  • SASケーブル

これまた種類が多いので、ちうい!!

  • 内蔵型LTOドライブ
  • Ultrium3~7テープ

 最低限SCSIカードとケーブル、ドライブが必要だ。ドライブのインタフェースはSCSI(or SAS)かFCが大半なので、ノートパソコンでのテープ使用はちょっと難しい。USB接続のLTOドライブは無くはないが、オークションには出回ってなく、入手は難しいであろう。ノートパソコンで使いたい場合はSAS接続のドライブと、ExpressCard型のSASホストバスアダプタを使えばおk(ノーパソにExpressCardスロットが必要なので、廉価なPCだとキビシイ)

LTO3、4はSCSIの物と、SASの物、両方が出回っているので購入時はよく確認しよう。

LTO7は2015年12月31日に発売されたばかりで、ドライブが100万円~と大変高価なので、一般庶民が手にすることは当面ないだろう・・・。LTO5は5~10万円でオークションに出ている事がある。

ヤフオクにたまにLTOドライブ搭載のワークステーションが出ている場合があるので、それを買えばSCSIカードを物色したり、取り付け作業をしたりせずに済む。

取り付け

SCSIカードとドライブをパソコンに取り付けて、ドライブとカード間をSCSIケーブルで繋ぎ、ドライブに4pinの電源ケーブルを挿したら完了。(パラレルSCSIの場合)

この説明でわかんない人は経験値が不足しているので、パソコンの自作に手を出してみて経験を積むか、あるいは知人にできる人がいれば、代わりにやってもらおう。

使い方

LTO2ドライブのテイクアップ(巻き取り)リール
LTO2ドライブのカートリッジ駆動ギア
Ultriumテープの中身

最近のWindowsはLTOテープの対応がアレなので、基本的にはLinux上でテープ操作をすることになる。Linuxをインストールしてもいいし、Knoppixみたいな1CDLinuxでもいい。Cygwinでも使えるかもしれない?

Linuxでテープにバックアップが取れる、フリーのツールはdumpやtar(tape archive)、dd、cpio、amandaなどがある。

root権限でコマンド操作を間違うとデータやシステムを破壊する場合があるので、十分注意しよお。ガチのバックアップを取る前に、消えてもいいデータとテープを使用して、何回かバックアップ/リストアの練習をしよお。

自動化された高度なバックアップを取りたい場合は、お金を出して専用のバックアップソフトを購入したほうが、いいかもしれない。

tarコマンド

最低限のコマンドだけ列記しておくので、詳細やオプションの意味は、ググったりmanページを見て調べること。

なおtarを使用する場合は -b でブロックサイズを指定しないと、複数テープにまたがって書かれたデータを正しく読めないので、ちうい!!

テープに書き込み

# tar cfvpM /dev/nst0 . -b 2048

カレントディレクトリ以下をテープに書き込み

テープの内容表示

# tar tfvpM /dev/nst0 -b 2048

テープの内容をベリファイ

# tar dfvpM /dev/nst0 -b 2048

元データがあるディレクトリにcdしてから実行

テープから読み込み

# tar xfvpM /dev/nst0 -b 2048

mtコマンド

テープを巻き戻し

# mt -f /dev/nst0 rewind

テープをイジェクト

# mt -f /dev/nst0 eject

HP製の一部ドライブ(BRSLA-0404-DC LTO2)の様に、これを実行してもテープが排出されないドライブもある(テープ端自体はカートリッジに格納される)。

mtコマンドは

# yum install mt-st

などでインストールできる。

sg_rmsnコマンド

テープ・カートリッジ固有のシリアル番号を読み出せるコマンド。

lto_cmコマンド

テープ・カートリッジ内蔵の非接触カートリッジメモリ(LTO-CM)を読み書きできるコマンド。任意の情報を書き込んでテープ管理に使うこともできる。テープとは別のメディアなので、テープ全消去してもカートリッジメモリの情報は残る。

GitHub - scangeo/lto-cmからダウンロードしてコンパイルすると使えるようになるが、Makefileにミスがあるようなので、CentOS 6ではMakefile書き換えないとコンパイルできない・・・

運用上の注意

LTOのクリーニングテープ
LTOのクリーニングテープの中身。普通のテープより短め。

磁気テープメディアは安価で長期保存もできる優れたメディアだが、案外デリケートなので注意して取り扱い、保管しよお。基本的に磁界とホコリ、高温、湿気は大敵。

ほかのメディアと違って、冷蔵庫での保管は非推奨。(テープのパッケージに推奨保存環境16~32℃と書いてある)

ハードディスクと違って衝撃には強い模様・・・(5階から落としてテストしてみたいw HDDは確実に壊れる高さw)

ドライブは定期的にクリーニングテープでクリーニングしましょう。クリーニング間隔はテープメーカーの取説[2]を読むと10日~1ヵ月間隔とか書いてある。

某資料[3]によれば、超音波加湿器のある部屋にLTOドライブを置いてはいけないらしい・・・?

脚注

外部リンク

HP LTO2ドライブで 1.2GB読み書き - YouTube (Роман Жуковскийさん投稿)